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駄作ですとも
遺憾ですとも。
初めて小説なんか投稿するよ。
自分が可哀想でしかたがないよ(何)
無駄に長ったらしいです。
銀土のようなそうでないような。
ただ、ちょい流血気味なんで苦手な方はブラウザバッキュンで。
続きからどうぞ
過去には縋らない。

歩いてきた道は永遠に足跡は消えないのだから。


目の前は雨でよく見えなかった。

六月、その日はいつも以上に土砂降りの雨だった。
雨水が纏わりついて苛ついた。
雨に打たれて手足の感覚は無く、握っていた刀さえ確かでは無かった。
生暖かな血さえも確かでは無かった。

人を斬った。

構えるまでは時間がかかり、仕留めるのは速かった。
攘夷獅子であろう、俺を見るや刹那、襲いかかってきた。

刀を握った、力が入らなかった。

その後は良く覚えていない。
感覚が無かった。人を斬った感覚が。
ただ、生暖かいものは感じることが出来た。
まだ、暖かい血だった。

土方はただ漠然とその場に立ち尽くしていた。
目の前の死体は雨で血を流され真っ白な別の生き物みたいになっていた。
土方は一歩も動けなかった。
人を斬るという、初めてのことだった。

雨は止むこともなく、馬鹿みたいに降っていた。

土を踏む音が聞こえた。
土方は力なく振り返った。
目の前には銀髪の浪士。
浪士は刀に手を掛けていた。
仲間だろうか、それとも無関係か。
どちらにしろ、土方にとっては敵であった。
銀髪は瞳孔が開いていた。仲間だったのだろう、瞬時に刀を抜いた。
キラリと、刀が反射した。銀色がなんとも輝かしい。
銀髪の浪士は刀に付いた血を払い、刀を構えた。
土方は動かなかった。
ただ、死を目前にした人形のようだった。
浪士は刀を構えたが、不思議そうな目で土方を見つめた。

雨は轟音をたてて降り続く。

「お前本当に土方か?」
浪士が口を開いた。
土方は俯き
「あぁ。」
と、か細い声で言った。
刀を握る力さえなく、虚ろな目をしていた。
浪士は土方に近付いて、首元に刀を付けた。
浪士は口を開き
「殺すぞ?」
一言吐き捨てた。
土方は抵抗もなく、俯いた。
話す気力もない。
「本当に首を斬るぜ?」
浪士はもう一度言った。
土方は虚ろな目をして笑った。
「あぁ。」
そう呟いた。
浪士は更に首元に力を入れた。
一筋、土方の首から血が流れた。
それが浪士の刀に伝わり、土に落ちる。
でも、それ以上浪士は刀を食い込ませなかった。
土方はまだ虚ろな目で浪士を見ていた。
「お前が殺したのか…?」
浪士が呟いた。
土方は目を瞑り
「あぁ。」
と、今度ははっきりした声で言った。
「それでなんで、そんな目をしているんだ。」
浪士の刀に力が入る。
土方は空に目を向けた。雨が目に痛い。
「…あっという間だったからな。」
土方は呟いた。
浪士は更に刀に力を入れた。
剣先が小さく揺れる。
「死に際は、覚えているのか…?」
浪士は瞳孔を開いて聞いた。

「…そんな事聞いてどうする?」
土方は答えた。むしろ質問をした。
「…真選組であるお方でも人の情ぐらいあるものかと。」
浪士の刀はカチャと音がした。
永い沈黙だった。
しかし、沈黙を打ち消すように土方が口を開いた。
「俺に人の情なんて、ないんだ。」
浪士は土方の首に刀を食いこまそうとした。だが、土方の顔を見て力が抜けた。

土方は静かに泣いていた。

何を思い立ったのか、浪士には見当がつかなかった。
浪士は刀を捨てた。カランと金属音が鳴った。
それでもまだ土方は泣いていた。
哀しかった。同情の意でも無く、ただ純粋に哀しかった。
罪を償えない。この立場からどうしたら良かったのだろうか。
自問自答が繰り返していた。それでも答えには辿り着かない。決して。

遠くで雷鳴が聞こえる。

「…なんでだ。」
浪士が呟いた。
土方は静かに浪士を見つめた。雨で血は洗い流されていた。
「…そんな顔されたら斬れないじゃねぇか。」
土方は目線をそらした。
「なんでだ…!お前が涙を流すんだ!」
土方は答えなかった。
「どうしてだ…!!」
浪士の声は豪雨によって打ち消された。
泣きたいのはこっちだと、浪士は呟いた。
雨は弱ってきた。先ほどのとは裏腹に雲の隙間から光が差し込んでいた。
浪士は思いたく無かった。こいつが土方なんて。
こんな涙が綺麗だなんて。信じたくは無かった。
でも哀しいくらいに綺麗な涙を流した。他人のために、深く祈りを捧げているよ
うに。浪士はそう思った。
なんて綺麗な涙だろう。
男にこんな言葉を贈れなかった。ましてや土方なんかに。それでも、思いいられ
ずには、いられなかった。
「…すまなかった。」
土方は呟いた。雨はあがっていた。
土方は刀を持ち上げた。死体が二つ。その間に土方は立った。
刀を大きく振りかざした。
雨が降ったせいで土は抜かるんでいた。
土方の行動に浪士は見当もつかない。
「…お前っ!?」
浪士が呼び止めようとした刹那

ドスッ

刺した。土方ではなく、その場を。
二人の死体の間に刀を刺した。土は抜かるんでいたせいか、深く刺さった。
それは他からみたら、何も変わらない只の刀だが、一言浪士は呟いた。
「…墓石のつもりか。」
雲の隙間から光が差した。
雨あがりで滴が反射して綺麗だった。
土方は軍服を脱ぐと、刀に被せた。そしてしばらく目を瞑り黙想していた。
敵でもあんな風にするのかと、切り付けた浪士は胸が押しつぶされそうだった。
浪士は振り返った。見ていられなかった。
土方が呼び止めた。
「敵討ちをしないのか。」
と。浪士は振り向き
「許したわけでもない。ただ、お前みたいのを斬れない。」
それを言うと浪士は再び歩き出した。
「お前、名前は…」
土方は呼んだ。どうかしていた。浪士の名前を聞くなんて。
だけど
浪士は振り返らずそのまま答えた。
「…坂田銀時」
銀時もおかしいと思った。名前を答えるなんて。ましてや土方なんかは。
それでも、と二人は思う。
懺悔のような気持ちになるのなら、それでも良かった。
気になる。幼く言えばそう答えるだろうな。
銀時は振り返らなかった。
二人の間に距離がひらく。それでもなぜか悔しい感情も何も無い。
思わず銀時は苦笑いをした。
カランと、下駄が泥を弾いた。
先ほどの感情が嘘のようで、認めたくは無い。
それでは、今なんと伝えたらいいのか。
悔しくて上手く伝えられない。
伝えなくても良いかも知れない。

雨は上がり、空は泣きそうなくらい晴れ渡っていた。

そう、あれはいつの昔話だっただろうか。
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テーマ:小説 - ジャンル:アニメ・コミック



















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